住吉大社裏で出会った夢の中の農家
どんな伝承か
昭和三十六年五月、夫の勤めの都合で結婚と同時に大阪の住吉大社の裏手のアパートに住み始めた報告者が、近所を散歩したときの体験。大都会を思い描いていたのに、辺りは大社の木々に包まれ、少し歩けば田畑と農家が点在していた。ある農家に見覚えを感じて近づくと、裏には鶏舎と豚舎が並び、柿の木には柄の長い柄杓が立てかけてあった。それを見た瞬間、三か月ほど前の夢を鮮やかに思い出した。夢では鶏舎から飛び出したおんどりに追われ、その柄杓でおんどりを追い払ったのだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。