暗闇に消える車を見た弟の夢
どんな伝承か
昭和四十一年六月のこと。親しくしていた近所の菊地のぶ子が夜中に、父と兄の乗っていた車が市電の安全地帯のポールにぶつかったと電話が来た、父は死んだかもしれないと言ってやって来た。みんなで心配していると、中学三年の弟が起きてきて、今、夢を見た、菊地さんのおじさんとゆうちゃんの乗っている車が暗闇にすうっと消えて見えなくなった、と言った。この事故で、のぶ子の父は即死し、兄も大けがをしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。