桑を摘む日に破裂した磐梯山
どんな伝承か
山潟の停車場で下り、疏水の上流の橋を渡って少し行くと、山の裾の高みになって、浜の松原の梢ばかりが見える。松の上は湖水で、磐梯山がその水に映る。二十年前の五月二十何日かに、この山が破裂した日は、変な日だと思いながらも、忙しいので皆が桑を採りに出ていた。この辺りからは一番よく見えて恐ろしかったのだそうである。やがてその山が段々と後ろに見えるようになり、折々降り坂になって里へ出る。里は必ず湖水に注ぐ小流に跨っており、その川で明日の糶庭に出す駒を洗っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。