相模箱根で膳に出た「山の神」という魚
どんな伝承か
石黒忠篤の談として柳田国男が記録した一件である。四年前、石黒が相模の箱根町に逗留していたとき、宿の女房が恐ろしい顔をして皿一杯の魚を膳に添えた。名を問うと山の神といい、伊豆の海岸で捕れるものだという。石黒は、山の神が山の神を食わせたと戯れたという。この魚は逗子の海岸にもあった。オコゼを山の神と呼び山神の祭に供える諸国の風習を集めた記事の中に、新見聞の一つとして掲げられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。