夜道で悪霊を告げて去った見知らぬ男
どんな伝承か
語り手が夜十一時ごろ、西船から歩いて帰る途中の出来事。「どこそこの駅はどこですか」と男に道を尋ねられ、途中まで同じ方向だからと一緒に帰ることにした。歩きながら話していると、男が突然「あなたは霊を信じますか」と聞いてきた。信じないと答えると「ふうん、じゃあ大丈夫だ」と言い、続けて「実はあなたの後ろに悪霊がとり憑いている」「僕はそういうのは霊感が強いんです」「早めに霊媒師に頼んで除霊してもらった方がいい」と告げ、そのまま帰ってしまった。語り手は、ただの変質者だったのかもしれないと述べている。
原典より
あのねあたしねあのね、ただの変質者だったのかなぁあの、夜ねえ西船(西船橋)からバーッと歩いて来たんだよそしたら、「ちょっとすいません。—— 市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年))
『市川の伝承民話 第6集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十年に発行した民話資料集である。昭和六十三年度から平成四年度にかけて市川市の下貝塚・八幡・平田・本行徳・香取などで聞き取った世間話・伝説・昔話・唄・年中行事・生活譚を、話者の語りに忠実に記録している。各話に話者と記録者を添え、新たに「現代若者の学校話」の部を設けて口裂け女や学校の七不思議などの怪談も収め、話者名簿・採訪者名簿・あとがきを付ける。