命がけで守られた箱根の杉並木
どんな伝承か
第二次世界大戦の最中、昭和一八年頃、軍部は軍船の建造に懸命であった。いわゆる献木という建前で、箱根山の杉並木の強制供出の命令があった。箱根の杉並木は徳川幕府の政策として、民情を守り、道中のいろいろな問題をかかえる旅人の苦労を防ぐために植林されたもので、三〇〇余年の歳月、立派に守られてきた。戦局が急を告げる頃、行政を通して伐採の命令が強くあったが、管理責任者であった箱根町は、命をかけた一人の職員の努力によって、その杉並木を守り、現在も並木は残っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。