僧兵が強訴に担いだ春日の神木の榊
どんな伝承か
神を祀るときには、木や季節の花草をその依代とする風習が古くから各地にみられる。神が宿る特定の樹木を「神木」と呼び、祭儀の中心に据える例は多いが、中世の史書に著名な奈良興福寺の僧兵による強訴の際に動座を見た「神木」は、春日明神の神体に擬した榊であったと伝えられている。木や石を神の依代とする信仰の古い形をよく示す事例である。
原典より
中世の史上に著名な奈良興福寺の僧兵強訴に動座をみた「神木」は春日明神の神体に擬した榊であった。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。