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野竹の弥七郎に入れ替わった木地屋の魂

所在地和歌山県田辺市本宮町野竹
年代元文年間
登場彌七郎
出典定本柳田国男集 第4巻

どんな伝承か

「紀伊国続風土記」の東牟婁郡請川村野竹の条には、元文年間のこととして次の話が載る。この村の弥七郎という七十ばかりの親爺が病にかかって突然悶絶したので、家の者が驚いて呼び返すと、正気はついたが言語も態度もまるで変わり、女房子の顔も見分けられず、その言葉は熊野の人のものでなく木地引の言葉になっていた。木地引の者には近江国の詞が多く、誰が聞いてもすぐ分かる。当時、同じ村の山奥に同じく弥七郎という木地屋が住んでいて、近ごろ死んだばかりで魂がまだ消えずにいたのが、我が名を口々に呼ばれるので戻って来て、別の弥七郎の体内に入れ替わったのだろうということであった。そうしてなお十年ばかりも生きていたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。

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