手の上に重なって見えた顔
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どんな伝承か
田尻丸吉という人が自ら遭ったことである。少年の頃、ある夜、常居から立って便所へ行こうと茶の間に入ると、座敷との境に人が立っていた。幽かではあるが衣類の縞も眼鼻もよく見え、髪を垂れている。恐ろしいながら手を伸ばして探ると板戸にがたと突き当たり、戸の桟にも触れた。ところが自分の手は見えず、その上に影のように重なって人の形がある。顔のあたりへ手をやれば、また手の上に顔が見える。常居に戻って人々に話し、行燈を持って行って見た時には、もう何物もいなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。
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遠野市の伝承
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