十三歳で死ぬ三姉妹と山伏の死霊
どんな伝承か
仙台城下本柳町の柄巻師高場信之の三人の娘は、いずれも十三歳の年に庭石で膝を痛め、そのまま死んだ。末娘しんの通夜の夜、屏風の内から呻り声がし、しんが起き上がって男の太い声で語る。自分は高場家の七代前の男に殺された山伏の死霊で、奪った金子がこの家の元手だという。納戸の仙台箪笥を探すと語られたとおりの脇差があった。死霊は官位にふさわしい葬式を求め、信之は菩提寺正楽寺の山門前から葬列を整えたが、棺の蓋が開き、まやかしだ、祟りは消えぬと告げられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・1978年(昭和53年))
『怪談の世界』は、山田野理夫が昭和五十三年に著した怪談の研究随筆である。遠野での佐々木喜善と柳田国男の出会いから説き起こし、家・山・木・石・道・水・火に現れる妖怪、憑き物、鬼と天狗、生霊・死霊・幽霊の話を、著者の聞き書きや各地の民俗資料、古典・芝居から集め、沖縄の話で結ぶ。章立ては江馬務と柳田国男の妖怪分類を参考にしたもので、民俗学の資料と文学作品の両面から怪談をとらえようとしている。